西原ワールド アート医研

西原式 赤ちゃん豆知識

20回 “水分補給は適切に”

「夏バテは過度の水分補給が原因だった」

sample_20170808_4-03「熱中症予防に十分な水分補給を—-」この繰り返されるキャッチフレーズのためか、やたらに赤ちゃんに水分を取らせたがるお母さんがいらっしゃいます。

熱中症を引き起こす環境は、高温・多湿・無風です。恒温動物のヒトは、体温を36-37度くらいに保つよう、環境に合わせて汗をかき、血液を皮膚の表面に集めて体温を下げるように調節します。その調節機能が働かない状態が熱中症です。熱中症の原因の1つが脱水状態のため、水分補給を十分にといわれます。

然しながら、2歳半ごろまでの乳児の場合は、熱中症の原因の高温・多湿・無風の環境に置かないことが重要です。汗をかく汗腺と自律神経の発達が未熟なため、上手に体温調節ができません。暑さ・寒さに対して順応ができないので注意が必要です。
夏になると、幼い時から子供のころの思い出作りと、特に最近ではプールや行楽地に出かけますが、乳児として完成する2歳半ごろまでは控えましょう。
暑さのため過度の水分補給を行い、胃腸が弱り食欲が低下し、9、10月の秋口になると原因不明の発熱や下痢になります。これが夏バテです。

帰省や家族旅行など外出時に、熱中症予防にと水分を持ち歩き、やみくもに与える傾向がありますが、これは胃腸と体を冷やすだけです。
体温が上がる傾向が見られれば、先ず、首の横・脇の下・足の付け根など太い動脈の血流の豊富なところを水道水で濡らしたタオルで体の外から冷やしましょう。暑い様子が見られれば、濡らしたタオルで手や足を拭くだけでも十分です。

水分補給をする際は、水分の過・不足は尿での確認が簡単です。もちろん個人差はありますが、サラサラとした薄黄色は補給は不要、少し濃い黄色は要水分補給です。ジャージャーと尿が出ているにも拘わらず、水分補給をするのは慎みましょう
乳児の場合は、尿・便・呼吸・汗で出ている水分は、食事やミルク、母乳で十分補えています。入浴や外出などで汗をかいても、水分補給はお白湯(38度程度)で十分です。

炎天下に出ることは避け、通気性の良い衣類で、母乳や乳児用ミルクで水分を取っていれば、通常、水分補給をする必要はありません。水分補給はあくまでも不足分を補給するもので、過度に与えれば胃腸に負担をかけるだけです。体温上昇がある場合は、先ず外から冷やし、夏バテのない生活を送りましょう。

19回 “歯の生え具合で食べ物が決まる”

「本格的な離乳食の開始は乳臼歯が生えてから」

sample_20170808_4-02赤ちゃんの食事の様式は、口の周りを刺激すると本能的に乳首に吸い付き母乳を呑む吸啜反射から、吸うことを学習した自発吸啜を経て、乳臼歯まで20本の歯が生え揃い、初めて離乳食を頬の内側に溜めて噛む咀嚼へと変わっていきます。

動物は、何をどのように食べるかにより、肉食性・草食性・雑食性などに区分されています。それらの大きな違いは、歯の形に顕著にみられ、肉食性では切り裂き噛み砕くための歯であり、草食性では臼と杵のようなすり潰すための歯です。雑食性のヒトの場合は、切歯、犬歯、臼歯(赤ちゃんは乳臼歯)を持っています。切歯で噛み切ったり、犬歯で引き裂いた食べ物を、頬の内側に貯め、臼歯(乳臼歯)ですり潰しながら舌で唾液と混ぜる口腔内消化を行い、飲み込みます。

赤ちゃんが、食べ物を消化し、栄養を吸収し易いようにすり潰すことができるのは、乳臼歯であり、切歯や犬歯ではありません。5,6か月で離乳食を開始すれば、乳臼歯の生えていない赤ちゃんが咀嚼できるはずもなく、イヤイヤをしながら最後は根負けをして、ただ口に入ったものを丸呑みにするだけです。臼(凹)と杵(凸)の形をした上下の乳臼歯が生え揃って噛み合うことで、初めて十分に咀嚼ができます。咀嚼を十分することで、唾液腺より消化酵素が分泌され消化を助けるために栄養の吸収もよく、加えて胃腸がよく働きよいお通じにつながります。

赤ちゃんの乳歯列20本の完成は、個人差はありますが、2歳半と言われています。育児書に則り5、6か月から離乳食を開始するのではなく、赤ちゃんの歯の生え方を観察して、食べ物を決めましょう。

お母さんが、カレーライスのような香辛料の強い物や冷たいもの、アルコールなど不適切な食べ物を食べたり飲んだりすると、腸内のバイ菌や毒物が血液に吸収されてめぐり、母乳も汚染され苦(にが)くなります。この苦い悪い母乳を飲まされた赤ちゃんは、乳切歯で乳首を噛みます。乳臼歯の生え揃う以前の歯は、食べ物を噛むための歯ではなく、お乳のための歯です。

乳首を噛まれるお母さんは、苦い母乳への拒絶反応ですから、母親の生活改善が必要です。おいしい母乳なら決して噛むことはなくて、大切に吸ってくれます。

母乳やミルクから離乳食への移行期はありますが、本格的な離乳食の開始は、乳臼歯が生え揃った時が目安です。

18回 “よく噛む子にするために その2”

「赤ちゃんの舌は心臓や肺や脳にもつながっている」

sample_20170808_4-01原始時代のサメ(原始脊椎動物)は私たちヒトの遠いご先祖です。哺乳動物の頂点に位していると言えども、生物進化を抜きにして今の人類はありません。

サメは水を取り込む時に、栄養を取り込む摂食運動と酸素を取り込む呼吸運動を、同時にエラの呼吸筋肉で行っています。エラ呼吸筋肉による鰓呼吸(えらこきゅう)運動です。

吸啜運動(お乳を吸う運動)は、原始時代のサメが口とエラから、エサと水の中の酸素を取り込む運動が、赤ちゃんに受け継がれたものです。

喉頭蓋(こうとうがい)と口蓋垂(こうがいすい)が立体的に繋がっている赤ちゃんは、お乳を吸う吸啜を行いながら鼻呼吸ができます。赤ちゃんがお乳を吸う姿は、サメがエサの摂食とエラの呼吸を同時に行っている姿が変化したものです。進化の視点から、ヒトしてスタートする赤ちゃん吸啜の重要性が理解できます。

咀嚼運動の源もまた吸啜運動と同じく、口とエラをパクパクさせた鰓呼吸(えらこきゅう)運動にあります。お乳を吸う舌筋、咀嚼(そしゃく)をする咀嚼筋、物を飲み込む嚥下筋(えんげきん)はすべてサメのエラ呼吸筋に由来しています。赤ちゃんが成長すれば、吸啜運動(きゅうてつ)は咀嚼運動と嚥下運動に引き継がれます。つまり、お乳を吸う吸啜、食べ物をすり潰す咀嚼、飲み込む嚥下、これらすべての源はエラ呼吸筋による運動です。

 吸啜や咀嚼によって顎や舌を動かす咀嚼筋が発達すると、これらを司る脳が飛躍的に活性化するとともに、心臓と横隔膜と肺をも活発化します。これは舌と顎を動かす神経と横隔膜神経が、首のあたりにある「頸部神経叢(けいぶしんけいそう)」で繋がっているためです。

鼻呼吸とともに行われる吸啜反射運動(口の周りに乳首を感じると本能的に吸いつくこと)で、舌と頬と口唇がリズミカルにモグモグ運動をすると、脳が活性化し、赤ちゃんの脳の言語中枢がことのほか発達します。脳は筋肉を動かす司令塔ですが、同時に筋肉を使えば脳も活性化します。脳と筋肉の働きは互いに持ちつ持たれつの共役関係にあります。

ヒトの進化をサメに遡ると、胎児における舌・心臓・横隔膜・筋肉などの由来が確認できます。

時間の経過とともに進化する過程を系統発生(図A:サメ)と個体発生(図B:ヒトの胎児)でご確認ください。

多くのお母様方は、歯が生え硬い食べ物を与えるとよく噛む子に育つと勘違いをされています。

吸啜をしっかりリズミカルに無意識にできるようになれば2歳半ぐらいになって臼歯まで生え揃った時に、心臓も強くなり、初めて食べ物を吸啜の延長としてモグモグと咀嚼することが可能となります。一定期間モグモグ運動をしたら、自然にお乳を呑み込むように、食べ物を呑み込むことができるようになるのです。心臓までも丈夫に育てるのが吸啜運動です。

これが咀嚼の始まりで、吸啜からやがて乳臼歯が生え揃った頃に徐々に咀嚼に移行していきます。

ヒトも哺乳動物の一員であるとの視点を育児に加え、本能に基づいた育児をすれば、よく噛む子を育てることができます。

17回 “よく噛む子にするために その1”

「吸啜(きゅうてつ)は噛むための第一歩」

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お母さんの間では、離乳や断乳は早いほど良いという考えが主流のようです。しかしながら、母乳はバランスの良い栄養源であり、病原菌などから赤ちゃんを守り(受動免疫・母子免疫)、加えてお乳を吸う吸啜運動はよく噛む子を育てます。よく噛むことは脳の血流がよくなることが知られており、利発な賢い頭脳を持つ子へと発育させます。

「離乳食が遅かったのでよく噛まない子になった」といわれることがありますが、これは全く反対で、よく噛めないのは、離乳食の開始が早く、お乳や乳児用ミルクを吸う吸啜を十分行わなかったことが原因です。

早期の離乳食の開始は、吸啜の本能を圧殺し、丸呑みと口呼吸を助長させます。今の育児医学ではこれをゴックン期と呼び、成長の目安としていますが、これは全く吸啜の重要性を無視しており間違っています。

お乳を吸うことつまり吸啜は、赤ちゃんがお母さんの乳房に口唇と顎で吸いつき、舌で吸引しながら蠕動(ぜんどう)運動してお乳を絞り出すことです。哺乳期の赤ちゃんの口蓋(上顎の天井)には乳首がぴったりと収まる乳窩(にゅうか)という陥凹部(へこみ)があり、そこまで吸い込まれた乳房を舌で下から絞るようにするのが母乳吸啜運動です。この母乳吸啜運動は、生後6か月ごろまでは本能といわれる反射行動で、口の周りに乳首を感じると本能的に吸い付いてきます。

この本能を利用すれば、簡単におしゃぶりを使うことができるようになります

喉頭蓋と口蓋垂が立体的に繋がっている赤ちゃんは、お乳を吸う吸啜を行いながら鼻呼吸ができます。吸啜を行いながら、鼻呼吸と咀嚼を学習しているわけです。

こうして鼻呼吸と吸啜が一体となったお乳を吸う運動は、乳臼歯が生え揃う頃には、鼻呼吸が身についているので口を閉じて食べ物を十分に噛むことができる咀嚼(そしゃく)運動へとスムースに移行できます。

母乳を飲んでいる赤ちゃんの舌と顎の動きは、成長すると蠕動運動に近い咀嚼運動となります。そして十分に噛み砕いた後は、口を閉じて口腔内が陰圧になると嚥下(えんげ)ができます。

時折、「離乳食が遅いため物が呑み込めない」といわれることがありますが、これも誤りです。赤ちゃんは生まれながらにしてお乳を飲み込むことができます。吸啜が十分でない場合には、口を閉じる習慣が身につかず、嚥下をする時に口が閉じられません。すると口の中は陰圧にならないために、食べ物が呑み込めなくなるのです。

16回 “母乳が赤ちゃんにとってベストな理由
「良い母乳はお母さんからのプレゼント」

哺乳とは授乳とも言い、赤ちゃんにお乳を飲ませて育てることです。その名の通り、哺乳類の大きな特徴は哺乳(授乳)で、授乳期間は種によって厳密に決まっています。人では2歳半(アボリジニー<原住民>は3歳)、ゴリラは4歳、チンパンジーは5歳までです。つまり、栄養学的にはその期間は母乳のみで十分に育つことを意味しています。ただしその母乳はよい母乳でなければいけません。

赤ちゃんは母親から2つのプレゼントを貰うといわれています。
その1つが、母親のお腹にいる胎児期に臍の緒を通して受け取る栄養と母子免疫(受動免疫)です。お母さんと同じ量の免疫抗体を持っているといわれており、生まれた後も暫くは細菌やウィルス感染から身を守ることができます。

sample_20170513_1-012つ目のプレゼントは初乳はじめとする母乳です。
母乳は赤ちゃんの成長に必要なタンパク質(カゼイン)、糖、ミネラルなど完全な栄養と抗体を含んでいます。
この抗体により、呼吸・食事・排せつ時などに体内に侵入してくる細菌やウィルスから未熟な赤ちゃんでも体を守ることができます。

母乳育児のメリットは風邪、中耳炎、小児白血病など感染症や喘息をはじめとするアレルギーマーチのリスクの低下が広く知られています。

また、胎児の脳の完成が受胎後30日のため、お母さんのお腹の中で言葉の学習をしているという有名な研究報告がヨーロッパにあります。生後1週間で言葉を理解できるようになるそうです。授乳の際の語りかけと愛情交換などのコミュニケーションが赤ちゃんの脳の発達と精神の安定につながります。

母乳には成長に必要なカゼインや栄養とともに免疫物質が含まれており、同時にお乳を与える際の母子のコミュニケーションは順調に育っていくためのお母さんからの最高のプレゼントです。母乳の果たす役割は絶大なものがあります。母乳育児は①栄養、②免疫、③精神から考えてベストなわけです。

人は哺乳類の一員です。お乳で子供を育てるという哺乳類の決まりに従い、病気知らずの子育てをしましょう。

15回 “乳児用ミルク育児を母乳育児に近づけるために”
「乳児用ミルクを工夫しよう」

西原育児は本能と伝承に基づいた子育てをお勧めしています。本能に基づいた子育ての一つが母乳育児あり、乳児用ミルク育児も母乳と同様にするためには温度、出方、与え方を工夫しなければいけません。

  1. 温度
    ・最初から最後まで、母乳と同じ40-41度を保つ
    ・ミルク量が多かったり季節・地域により冷える場合は2本に分け1本は湯煎にしておく
    ・ポットカバーも有効
    ・温度の確認は料理用温度計で確認をする
  2. 出方
    ・母乳のように出にくい乳首を選ぶ
    ・劣化し穴が大きくなっていないか常に確認をする
  3. 飲ませ方
    ・必ず抱っこし、左と右で抱きかかえて飲ませる

決して、赤ちゃんに哺乳瓶を持たせゴロンと寝かせたままで、ミルクを与えないで下さい。乳首が大きかったり、劣化して大量にミルクが出ると赤ちゃんは満腹中枢が満たされることがなく、いくらでも飲みます。赤ちゃんのミルクの『一気のみ』です。その結果、「大人しく手のかからない(体重だけは)優良児」に育ちます。その上、ミルクの温度が低ければ、腸内環境が悪玉菌優位になり、お通じの不調につながります。母乳育児と同等にするにはお母さんの体温を感じ、表情を見て、舌をぐいぐい使って十分な吸啜が必要です。この吸啜は言語中枢を刺激し言葉の獲得につながります。この時期に吸啜を十分行わないと、言葉の習得ができない子になりますから、くれぐれも注意が必要です。

母乳のため哺乳瓶をくわえないというお尋ねはよくありますが、以下をお試しください。

  1. お腹がすいている時に哺乳瓶で与える
  2. 哺乳瓶の乳首をいろいろ試す
    メーカーにより感触が異なるため好みのものを探す
  3. 動機付けのため、乳首に砂糖やオリゴ糖など甘みのものを少量塗る
  4. いろいろなミルクをためす
  5. お母さんや兄姉が使って見せる
    成長とともに真似をしたがる

乳児用ミルクは母乳に準じた消化・吸収の良い総合栄養食です。乳児として完成するまでは母乳の延長で与え、幼児として完成する5歳程度までは体重増加が思わしくないなど、不調時に栄養の補助としてお勧めしています。

14回 “乳児用ミルクは母乳同様のバランスの良い栄養食”
「乳児用ミルクは母乳の延長で与えましょう」

sample_20170413_1-01「“西原先生は母乳がベスト、不足分を乳児用ミルクで補えばよい”と言われますが、母乳が出ない場合はどうすれば?」とよく質問があります。一般的な育児法では離乳食を食べている1歳の赤ちゃんでも、乳児用ミルクを中心に子育てをしているお母さんは、西原式育児では大勢いらっしゃいます。

母親の健康上の問題・第2子を希望・仕事の復帰などのため母乳を断乳した方、あるいはアトピーなどアレルギーマーチのため離乳食をやめ乳児用ミルク中心にしたお子さんなどです。

母乳が十分でなかったり、様々な理由で断乳した場合に、多くのお母さん方が不安になるのが、乳児用ミルクの使用です。乳児用ミルクは母乳の代替ですから、温度や出方など母乳に準じた与え方をすれば、全く成分が母乳と同じではありませんが、母乳育児と同等と考えられます。乳児用ミルクは、正しく使えば母乳育児と遜色はありません。

乳児用ミルクには添加物や成分の偏りがあるのではといわれます。しかし乳児用ミルクには、いわゆる防腐剤や着色料などの添加物は入っておらず、強化されているビタミンなどは栄養素です。成分も母乳に近づけてあり、大変バランスの良い、消化吸収の効率の良い栄養食です。

一時、中国の粗悪なミルクで赤ちゃんの健康被害が出ましたが、日本をはじめとする先進国のものは大変よくできています。

またミルクアレルギーに対応して、アレルギー予防用・疾患用・完全に合成アミノ酸のみのエレメンタルホーミュラーがあります。これらを正しく使えば、赤ちゃんにミルクアレルギーがあっても対処が可能です。

乳児ボツリヌス症事件で赤ちゃんの腸の性質が明らかとなったことで、分子量の大きいタンパク質がパイエル板を通して吸収され、アトピーなどアレルギーマーチの原因となっていることが理解できます。赤ちゃんの胃の消化酵素は母乳のカゼインしか消化しないため、それに準じたアミノ酸でなくてはいけません。

乳児用ミルクにしたら、便秘や下痢・緑便・アトピーなど不調になったといわれることがありますが、乳児用ミルクそのものに問題があるのではなく、ミルクの温度が不適当、乳首の交換をしないため劣化し穴が大きくなりミルクが早く出過ぎるなどの原因があります。ミルクが早く出過ぎれば、胃に留まらず胃のわきの小弯から一気に腸に流れ込みます。

母乳では左右の乳房で授乳しますが、ミルクの場合も左右交互に抱きかかえて与える必要があります。一方のみの授乳は、子供の体の偏りにつながります。

ミルクアレルギーでないのであれば、グリコのアイクレオは、赤ちゃんにとって美味しいらしく、お勧めします。乳児用ミルクも脂質など原料の由来が違えば、赤ちゃんにとっては味が大きく異なるようです。好みのものを探し、母乳の延長と考え最初から最後まで温度は40-41度、母乳のように出にくい乳首で与えてください。

乳児用ミルク育児も、ミルクの選び方・与え方で、母乳育児と同等になります。

13回 “日和見(ひよりみ)感染症にかかったら”
「日和見感染―その対処法」

1. 発熱sample_20170309_1-01
体温が39°以下の時はどこも冷やさず、39°以上になれば、水道水で濡らしたタオルで額を冷やします。額を冷やすのは熱に弱い脳を保護するたです。それ以上あがる様子が見られれば、同じく濡れタオルで脇の下を冷やしましょう。冷やすのは、通常の体温に下げるのみで、冷やしすぎは厳禁です。白血球がバイ菌を退治している時に熱が出るのであり、氷枕やアイスノンなどで急激に冷やすと、免疫力(白血球がバイ菌やウィルスを消化する力)が低下し、体中にバイ菌(腸内の常在菌=日和見菌)が蔓延し治りがさらに遅くなります。打撲や火傷でない限り、冷やしてはいけません。
脱水症状にならないよう、温かいお白湯で水分補給をしましょう。腸が冷えるため食べ物の消化吸収も悪くなり、タンパク質を含むアイスクリームも厳禁です。
多くの先生はこの考えがないためアイスクリームを勧められます。お母さんが正しく対処する必要があります。

2. 下痢sample_20170309_1-02
体を温かく保ち、尿の色と量を見て温かい白湯で水分補給を十分に行います。下痢の時はお腹やお尻、手足が冷たいことが多く、確認をした上で温める必要があります。手や足が冷たいと肺と腸がダメージを受けます。手・足や体表の皮膚と内臓は毛細血管に分布する自律神経で繋がっているからです。
床暖房であれば問題ありませんが、洋間のフローリングに、直接マットレス等の寝具を敷いて寝るのは冷えるので避けましょう。床材が寝るには適しておらず、また、通気のためドアの下が開いており冷気が床の表層に滞留します。

3. 咳・鼻づまりなどの風邪症状sample_20170309_1-04
室温と湿度を確認しましょう。喉の扁桃、気管、気管支や肺は乾燥と低温に弱いため、室温を25°に 湿度を60%に保つとお子さんは楽になります。鼻詰まりは応急的に鼻吸い器を使用したり、電子レンジで温かい蒸しタオル を作り、鼻を温めると通ってきます。また、母乳点滴も有効です。
口呼吸は風邪のみならず、万病の最大の原因です。日頃から鼻呼吸を心掛けると、鼻から空気が入ることで加湿・加温・除菌が行われ日和見感染を防ぐことができます。
通常、病院を受診すると気管支拡張剤や抗ヒスタミン、抗アレルギー剤が処方されますが、対処薬のため症状をおさえるのみです。治ったと勘違いし、再発する場合がほとんどで、こじれて中耳炎、滲出性中耳炎、膀胱炎を発症するケースも多くみられます。

sample_20170309_1-034. 嘔吐
鶏のスープなどで栄養をつけたがるお母さんがいらっしゃいますが、スープには動物タンパク質がふくまれているので2歳半までの赤ちゃんには全く適しません。詳しくは「食品成分表」女子栄養大学出版部を参考ください。
温かい白湯で水分補給を行い、胃が受け付けるのであれば母乳やミルクを与えましょう。栄養面は症状が回復すればカバーできます。嘔吐したのでは意味がありません。


<アイスクリームがよくない理由>
アイスクリームは栄養があるとされ、子供も大変好むので与えるお母さんが多くいらっしゃいます。しかしながら、この栄養は赤ちゃんには毒となるタンパク質が多く含まれています。アメリカで起こった小児ボツリヌス症事件(生の蜂蜜を与えられた赤ちゃんが、ミツバチの足についていたボツリヌス菌入りの蜂蜜で大勢死亡した)で、赤ちゃんの腸の性質が解明されました。赤ちゃんに不用意にアイスクリームを与えると、腸は直ちに大人型の悪玉菌ばかりとなります。赤ちゃんの腸はこれら悪玉菌をすべてパイエル板から白血球に取り込むため、悪玉菌が体中にばらまかれてアトピーなどのアレルギーマーチの引き金となります。つまり、アイスクリームを与えると腸管が冷えるため働きが悪くなるとともに、腸内の常在性のバイ菌やウィルス、すなわち悪玉菌が白血球に吸収されます。その汚れた白血球を含んだ血液が体中を巡り、それらがばらまかれ、さらなる日和見感染症を引き起こします。その結果、体力を消耗させ、回復の妨げになるので不調時のアイスクリームは絶対に厳禁です。
かかりつけ医に勧められてもくれぐれも要注意を!

<嘔吐で汚れた衣類や寝具について>
衣類は汚物を取り除き、洗剤と除菌効果のある漂白剤で洗い、雑菌が繁殖しないようにする。常在菌のため、消毒の必要はありません。
寝具は汚物を取り除き、洗えない場合は、天日干しを十分しましょう。

<ヤングについて>
当赤ちゃん相談室では、日和見感染の際はヤング(YOUNG)の服用を特にお勧めし、効果が上がっています。ヤングは、腸を整えるとともに抗菌作用・抗ウィルス作用があり、死菌のため赤ちゃんも安全にも使用できます。

西原博士の美呼吸健康術サイトヤング (YOUNG)」商品ページはこちらから。

12回 “子供の主治医はお母さん
「日和見(ひよりみ)感染症かウィルス感染症か見極めよう」

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「急に熱が出た」「下痢になった」「食べたものを吐いた」「風邪を引いた」といった場合、すぐに病院に行くのではなく、子供の状態を見極め、正しく対処しましょう。子供の主治医はお母さんです。

寝冷えに起因した常在性の腸内細菌による発熱・下痢・風邪症状か、あるいは病原性のあるウィルス感染によるものかにより、症状も対処法も違ってきます。

人は赤ちゃんから大人まで、口や喉、腸の中に殆ど病原性のないバイ菌をたくさん持っており、免疫力が勝っていれば常在菌では発症しません。常在菌とは、通常は病気を起こさない腸内細菌群のことです。免疫力、つまり白血球が弱って常在菌を消化できない場合に発症するのが日和見(ひよりみ)感染症です。昔は子供では自家中毒症ともいわれました。日和見(ひよりみ)感染による発熱・下痢・嘔吐・風邪症状であれば、消化吸収の良いものを与えて、温水()を十分に補給して、暖かくして自宅で安静にすれば回復します。特に寒い時期に、症状が軽度にもかかわらず病院を受診すると、「寒さ、長い待ち時間、緊張」などでかえって症状が悪化することがあります。病院は病気の巣です。その上、処方されるのはほとんどが解熱剤、座薬、下痢止め、抗アレルギー・抗ヒスタミン剤、気管支拡張剤、去痰剤など対症療法薬です。

病原性のあるウィルス感染の場合は、適切な対応が重要です。39度以上の熱が2日間以上続き、発疹、水様性の便や嘔吐の繰り返しがあれば、ウィルス感染を疑う必要があります。このような時にも、アイスクリームを与えることは厳禁です。

赤ちゃんの不調は、家族の行事に付き合わされる時期に集中しています。兄弟・姉妹の保育園や幼稚園での行事が多い時、年末年始、夏休みなどです。赤ちゃんといえども疲労のため免疫力が低下します。当方にお問い合わせの発熱・下痢・嘔吐・風邪症状のほとんどが、無害の常在菌による日和見(ひよりみ)感染で、西原育児の対処法で改善しています。

ぜひお母さんが主治医となって日和見(ひよりみ)感染症(自家中毒症)に正しく対処ください。

次回は日和見(ひよりみ)感染症の対処法についてご紹介します。

腸内細菌とは口・鼻・喉・気管・胃腸・泌尿生殖器内の細菌の総称

第11回 “上向き寝を習慣づけよう”
「横向き寝・うつぶせ寝は口呼吸、顔・歯形・体の歪みの原因」

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人が生きるには呼吸・栄養・睡眠が必須ですが、大半を寝て過ごす赤ちゃんにとって睡眠、特に睡眠姿勢は非常に大切です。たかが寝相と侮ると、一生の不調につながります。自由に手・足をバタバタ動かせる上向き寝は、しっかりした肺呼吸も身に着けます。

横向き寝・うつぶせ寝には以下のような弊害があります。

  • 鼻づまり→口呼吸
    下側の鼻腔内の静脈がうっ血して鼻づまりになり、苦しくて口呼吸になる
  • 顔のつぶれ→顔の変形
    頭の重さが顔にかかりつぶれる
  • 体の歪み→まっすぐに歩けなくなる
    猫背、脊柱側弯、骨盤のゆがみ、がに股
  • 歯形の歪み
    出っ歯、反っ歯、受け口、乱杭歯、反対咬合
    鼻が押しつぶされ、鼻柱隔側弯にもなる
  • 近視の原因
    横向き寝は、決まった側を下にして寝るため、眼窩(眼の周りの骨)が楕円形につぶれるため、近視になる
  • 乳幼児の突然死の原因
    呼気に含まれる炭酸ガスは、窒素を多く含む空気より重いため、うつぶせ寝をしている赤ちゃんの鼻の周囲に炭酸ガスが溜り、窒息状態となる。
    乳児の形をした中が空洞の模型を作って肺の位置にウサギを入れておくと、赤ちゃんがうつ伏せ寝の状態では全部死んでしまいますが、上向き寝ではすべて生存するというアメリカの実験がある。これは人では、鼻孔がうつ伏せ寝で最も下になるため、炭酸ガスが溜りこれにより乳児の突然死がおこる。
  • 呼吸が抑制される。
    うつぶせ寝では手と足が動きにくくなるため、呼吸が抑制される。脊椎動物の進化で、後に心臓と肺になるエラも、手と足になる胸ビレと腹ビレもともに外呼吸器官で、発生学的には同じ役目を担っている。手と足をよく動かすと、心臓も肺も活発に動くのは、原始型でともに呼吸を司ったことによる。

上向き寝のできない場合は、以下の点の改善を図りましょう。

  1. 食べすぎや食べ物の不適当でお腹が苦しい→離乳食の見直しとお通じの確認
    就寝前に食べすぎない、また、食後十分時間を空けて寝る
  2. 過緊張→何事もリラックスできる範囲で
    長時間の散歩や早期の習い事による疲れなどに注意
  3. 寝具が固い→柔らかいものにする
    うつ伏せになると柔らかい寝具は危険との思い込みのため、硬い寝具を選びがちですが、赤ちゃんは脂肪優位のため、柔らかいものにすると上向き寝で寝やすい。
  4. 指しゃぶり→おしゃぶりの使用
    しゃぶる方の手が利き腕となり、筋肉が引っ張られて利き腕側に、横向き寝になるため、おしゃぶりを正しく使わせる
  5. 体の歪みがある→両手を均等に使わせる
  6. 片噛み→両方の歯でよく噛ませる(体の歪みが取れる)
  7. 寒い→特に延髄(首の後ろ)を温かく保つ

勿論、一晩中真上を向いて寝ることは無理であり、必要もありませんが、基本的には上向きで、両肩が寝具についた状態で、漢字の「小」の字で寝ましょう。歯が生えそろったばかりのお子さんが「歯ぎしり」をしたり、一晩中ごろごろしている場合は、必ず原因がありますから、弊害の大きさを考え、改善が必要です。月齢が低い場合は「雛まき」もお勧めです。また、西原先生の『寝相矯正体操』や『ダウンふわふわ枕』の使用も上向き寝への改善に役立ちます。

悪い寝相は筋肉の歪みにつながるため改めるのが難しく、赤ちゃんの時から正しい上向き寝を身につけましょう。

第10回 “受胎後32日から38日までの6日間が大事”
「個体発生は系統発生を繰り返す」※

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受胎後32日から38日までの6日間は、体の冷え、口呼吸、冷たい食事・飲み物の摂取など習慣の見直しと、過労、寝不足、過度のスポーツ、飲酒をはじめとする日常生活、薬の服用に特に注意をする必要があります。

赤ちゃん相談室への奇形の問い合わせは、腎臓、心臓、ヘルニアなどの内臓奇形、兎唇・口蓋裂、難聴、視力障害、生歯の欠損症などが多くあります。これらの奇形は、妊娠初期の魚型胎児(エンブリオ)から哺乳動物型の胎児(フィータス=人型胎児)に変容する期間に、胎児が母親からへその緒を通してダメッジ(酸素不足や冷えなど)を受けることで生じます。つまり、受胎後32日から38日までが魚型から人型に変わる大変不安定な期間で、胎児が障害を受けやすいのです。

この6日間は、系統発生ではデボン紀に相当し、我々の先祖である原始脊椎動物のサメが、水中から陸に上がる時期に相当します。水中で浮力の中で生きていたサメが、重力のある地上で呼吸し餌を食べ、生殖・出産をするシステムへと変容した期間です。動物の進化の歴史の中で、6000万年間をかけた上陸劇が、ヒトの胎児では32日目から38日目までの6日間で再現されるのですから大変劇的です。

胎児にある器官ができる時に、母体と胎児に極端な酸素不足が起こると、その器官に奇形が生じることがあります。よく知られている兎唇口蓋裂は、遺伝もありますが、唇と口蓋ができる時の酸素不足で起きることもあります。また、妊娠初期の歯科治療では、麻酔剤の血管収縮剤による胎児への影響を注意する必要があります。

受胎して38日以降は哺乳動物へと変容し、その後おおよそ242日間母胎の中で育ち、産み落とされてから、24歳すぎまでは進化を続け、24歳で人として完成するといわれています。

妊娠から出産の過程は、お腹の中で、5億年の進化の道のりを赤ちゃんが再現していることを十分自覚し、奇形の生じやすい魚型胎児から哺乳動物型の胎児(フィータス=人型胎児)へと変容する32日目から38日目の6日間は特に大事に過ごしましょう。

「個体発生は系統発生を繰り返す」ドイツヘッケル提唱した。
個体発生:1つ個体が、受精卵から生まれるまで(出産されるまで)の過程
系統発生:1つの動物種が、変容した次の種に進化する変化過程の全容

第9回 “三つ子の腸は一生涯”
「便秘の解消」

「三つ子の魂百までも」といわれるように、この頃に培われた心や健康は生涯続きます。「三つ子の腸も百までも」です。

通常3日sample_201601108_1-01までは便秘とは言われませんが、乳児の場合、水分の多い母乳やミルクであれば毎日数回、黄色で、炊き立てのご飯のような匂いのお通じが理想です。

便秘の場合すぐに下剤や浣腸に頼るのではなく、原因となる以下の点を確認しましょう。腸の刺激(ラキソベロン)や水分を保持する(水酸化マグネシウム)ことで排便を促すのは、赤ちゃんにとっては良くありません。自分の持っているビフィズス菌を増やすことで、スムースな排便につなげましょう。

【便秘の原因】

  1. 食べる総量が少ない
  2. 冷えで腸がよく働かない→腹巻が有効
  3. 食べ物が不適当である(質の悪い母乳と早すぎる離乳食)
  4. 過緊張(過度の刺激)←長時間の散歩やドライブ
  5. 口呼吸のため低体温→おしゃぶりを使って口閉じのトレーニングを

解消法としては、先ず、①十分食べているかを確認し、不足の場合は乳児用ミルクや重湯、おかゆなど月齢に応じたものを補い、離乳食が進んでいるのであれば、十分噛ませます。②口呼吸と低体温の防止、脳の活性化のためにおしゃぶりを必ず使います。皮膚と内臓が交感神経で繋がっているため、手・足・お腹を常に温かく保てば腸がよく働くようになります。③衣類に注意し、入浴はたっぷりのお湯で十分温め、④入浴後は腸がよく働くようお腹を腸の巻いている方向に「の」の字のマッサージを行い、⑤上向き寝で足をバタバタ動かす自転車こぎ運動やハイハイで腸の働きを助けます。手足を十分動かすと腸の働きが良くなり、快便になります。

乳児の便秘は、便のもとになる食べ物の量が適度で腸の働きがよければ解消します。排便は腸のバロメーターで、「三つ子の魂は百までも」の通り、この時期培われた腸は健康の基本です。

自力排便の難しい場合は、母様が、赤ちゃん用の浣腸を湯煎で人肌に温めて使うことをお勧めします。うっかり便秘で病院にいくと「腸洗浄」までされ、大事な腸の有用菌まで出されてしまうこともあるので要注意です。

また、予防接種は便秘、緑便、下痢などお通じの不調の原因となるため、必ず体調の良いときに受けましょう。

どうしても便秘が解消しない場合は、ヤングなどのビフィズス因子の服用で、自身の有用菌を増やす赤ちゃんに適した方法を選びましょう。

第8回 “ハイハイは健やか育児のかなめ”
「立っちと初めの一歩は血圧が十分上がってから」

お腹の中にいる赤ちゃんの血圧は、水中にいるサメと同じ15mm水銀柱です。そしてほぼ10月10日で生まれる赤ちゃんの血圧は、30mm水銀柱です。ハイハイで頸胴を鍛えて、血圧が60mmになり自然に立ち上がり歩くのを見守りましょう。
sample_201601011_1赤ちゃんが生れ落ちると、まずお乳を飲み手足をバタバタ動かします。このお乳を吸う吸啜運動や呼吸筋肉全体が刺激される手足を動かす運動は、心臓を活発化し、これにより徐々に血圧が上がってきます。血圧が上がることでますます動きが活発になり、ズリバイ、ハイハイ、タカバイをするようになります。ハイハイのためにうつ伏せになり首を持ち上げると、首の横の頸動脈部にある頸胴が刺激され血圧が上昇するとともに、血圧をコントロールする頸胴の機能が強化されます。このようにして赤ちゃんの血圧が60mm水銀柱に達っした時はじめて、立っちをし歩き始めることができます。

離乳食を早く開始し筋肉を鍛えれば早く歩くのではありません。筋肉ムキムキの赤ちゃんでも、血圧が60mm以下であれば、立つことも歩くこともできないのです。

最近では周りに家具などがあり早くからつかまり立ちをしたり、早く歩かせたい両親の意向もあり、十分に血圧が上がらないまま歩き始める赤ちゃんが多くなっています。ハイハイを省略したり十分行わず成長すると、頸胴の血圧調整機能が十分働かないため、すぐに貧血を起こしたりする傾向があります。人は哺乳動物の頂点に位置はしていますが、他の哺乳類と同様に4足歩行の期間をしっかり持つ必要があります。

ハイハイを十分行い、頸動を刺激し血圧を60mmに高めてから自然に歩かせるようにし、立っちや歩行は無理に行わせないようにしましょう。

ハイハイはおしゃぶりとともに、生涯にわたる循環系の健康の基礎となります。

第7回 “夜中の授乳の歯のケア”ー 濡れガーゼ・濡れタオル清掃を
「虫歯にならないために」

西原式育児は、「母乳が一番、欲しがる時に欲しがるだけ」が基本です。

赤ちゃんは、約6か月で歯が生え始め、2歳半で乳臼歯まで生えそろい、乳歯列が完成します。

夜中に空腹で目を覚ました場合、授乳をすると虫歯が心配、また、そのたびに歯磨きをするのは大変といわれます。夜中の歯磨きは、赤ちゃんにとっても大迷惑です。

と言って多めに授乳をすると、お腹が苦しいらしくゴロゴロ転がり寝つきが悪くなります。

sample_20160912_1-01歯が生えてきても、夜中のミルクは欲しがれば与えても、正しく対応をすれば虫歯の心配はありません。清潔なガーゼやタオルを10cm四方に切っておき、それを濡らし軽く絞り、指に巻き歯や口の中を拭き、使い捨てにすると便利です。最後に、お白湯(暖かいもの)を少し飲ませるとなお良いでしょう。

夜中用には、清潔な蓋つきの容器(ガラス瓶など)に濡らしたガーゼやタオルを入れ、枕元に置いておくことをお勧めします。

日中でも月齢が低い場合は、濡れガーゼ・濡れタオル清掃で十分です。2歳半ごろになり乳歯列が完成のころまでに、歯ブラシの歯磨き習慣を身に着けてください。お子さん自身による歯ブラシ清掃とともに、お母様によるガーゼやタオルの歯磨きを合わせてお勧めします。

濡れガーゼ・濡れタオル清掃は大変良く歯の汚れを取るため、大人にも大変有効です。歯ブラシ清掃とともに習慣づけください。

第6回 “金太郎さんの腹あて” ー 5分間ソーイング
「おなかを冷やさないために」

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冷房の効きすぎや寝冷えから、赤ちゃんのお腹を守りましょう。最近ではあまり見かけませんが、かつては夏でも「金太郎さんの腹あて」と呼ばれた四角な腹あてで、お腹を冷やさない工夫をしていました。筒状の腹巻は、特に夏には、背中に汗をかきやすいため、胃と腸を冷やさない金太郎さんの腹あてが最適です。

手軽に作れて、汗をかけば簡単に取り換えることができます。

〈材料〉
1.正方形のハンドタオル 月齢に合わせて小・中・大(1辺約・23cmから33cm)
2.ソフトテープ 体格に合わせて適宜 太さ 2mmから5mm

〈ポイント〉
*お腹のひもは、背中が痛くならないように、片方で結びます。
*使用時は、首は絞めつけないよう注意しましょう。

第5回 “赤ちゃんの体温が高いわけ”ー冬眠中のクマさんと同じ!
「赤ちゃんは常に温かく育てましょう」

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「熱がこもる」「自律神経の発達のため、冷たくしなければいけない」「ひ弱になる」などの理由で、赤ちゃんを冷たく育てるのが主流のようです。しかしながら、赤ちゃんの体温が高いのにはわけがあります。

赤ちゃんは約3000gで生まれて、1歳でほぼ2倍半の8000gになります。これは平均して1日に14gの体重増加です。細胞にすると3兆個が8兆個に増えるため、1日に140億個、1時間では6億個、1分間で1000万個の細胞が分裂・増殖する計算になります。このように多数の細胞分裂を繰り返して成長するために、エネルギー代謝が大人と比べて格段に活発です。大人の平均より、赤ちゃんの平均体温が36.5から37.5度と高いのは、成長に必要な熱のためです。

呼吸には肺呼吸と細胞呼吸があります。人が活動できるのは、究極では細胞内のミトコンドリアが酸素やピルビン酸、ビタミン、ミネラルなどを使って行う細胞呼吸によって作られるエネルギー(ATP)のおかげです。赤ちゃんの成長のための細胞分裂には、ミトコンドリアが生産するこのエネルギーが必須です。ミトコンドリアは、37度から38度で活性化する温度依存性があます。つまりこの程度の体温がないと、ミトコンドリアが十分なエネルギーを作らないため順調な赤ちゃんの発育はありません。

ミトコンドリアの働きをよくするには、体温を高く保つために熱が必要です。その熱を作る専用のブラウンファット(褐色脂肪細胞)が、赤ちゃんとクマなど冬眠する哺乳動物にあります。冬眠中のクマが、何か月も食べ物なしで寒い冬を乗り切ることができるのは、このブラウンファットのおかげです。

成長の細胞分裂をする際に必要な熱のため赤ちゃんの体温はいつも高く、また、自律神経の交感神経が未発達のため、体温調節が上手おこなえず、熱いと汗をかきます。それをすぐに、熱がこもると寒くしたり、冷たく育てるとミトコンドリアが阻害され、成長の妨げとなり、しいてはアレルギーマーチの引き金の1つとなります。

つまり、赤ちゃんの成長すなわち細胞分裂は、細胞呼吸を担うミトコンドリアが37度から38度で活性化する温度依存性があるため、赤ちゃんは温かく育てなければならないのです。赤ちゃんは新陳代謝が活発で、体内で作り出される熱が多いため、体温が大人より高めとなっています。

常に、足や手、お腹やお尻をさわってポカポカ温かいか確認をしましょう。

第4回 “体温の差で健康状態の把握を”
「起床直後と日中安静時の体温の差を確認しましょう」

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お子さんが、どうしても鼻呼吸ができないと言われることがあります。高熱・発疹・下痢などがあれば病気を心配しますが、寝冷えや軽度の鼻風邪が見過ごされて、鼻が詰まっている場合が多くあります。寝冷えや鼻風邪症状を見逃し、腸炎や中耳炎、本格的な風邪など重症に陥ることもあります。

また軽度の症状で病院を受診し、逆に風邪をもらってくるなどのケースも見られます。

赤ちゃんの健康状態のバロメータには、体温・食欲・排便・ご機嫌・皮膚状態などがあります。

個人差はありますが乳児の平熱は36.5度から37.5度です。起床直後はその平熱より0.5度から1度くらい低ければ、寝冷えや鼻風邪ではありません。日中安静時の体温は起床時よりも0.5度から1度くらい高めになっています。日中に起床直後より低いか、あるいは同じであれは寝冷えや鼻風邪が考えられます。

体温は数字のため分かりやく、赤ちゃんの健康管理に利用しましょう。

先ずは起床直後と日中安静時の体温を測り、その後は赤ちゃんを抱いた際の体温の感覚で健康状態を把握しましょう。

第3回 “おしゃぶりの効用”
「1.脳の血流を促し言葉の習得と、2.鼻呼吸にして嚥下の促進、3.顎骨の発達で永久歯への備えを」

20160509_1口が塞がるのでしゃべれなくなる、舌の使い方が分からず物が飲み込めなくなる(嚥下(エンゲ)能力が身につかない)と、おしゃぶりを嫌うお母様がいらっしゃいますが、これは大いなる誤解であり、赤ちゃんの最も大切な本能であるお乳を吸う吸啜(キュウテツ)(舌筋と口唇頬筋の連動)を助けるのがおしゃぶりです。ここで正しくその効用を確認しましょう。

1.おしゃぶりを使うことで、吸啜と口と舌の蠕動(ゼンドウ)運動(もぐもぐ運動)が促され、脳の血流がよくなり、将来、言葉を司る大脳皮質の言語野が発達し、同時に舌の動きが滑らかになります。これが言葉の習得につながります。言葉は舌のみでしゃべるのではなく、脳の指令で声帯と舌と唇で音を作る(構音)ものです。

2.赤ちゃんは喉頭蓋と口蓋垂が接近しており、この時期は鼻呼吸しかできません。おしゃぶりを使うことは、鼻孔の呼吸筋肉、舌筋、口輪筋を鍛え、きちっと口を閉ざして鼻呼吸にするための唯一のトレーニング方法と言えます。哺乳動物の特徴はお母さんのお乳を吸うことです。授乳時に見られる唇の閉鎖でも分かるように、口を閉じないでお乳を飲み込むことはできません。口を閉じることで口の中が陰圧になり、初めて嚥下ができます。赤ちゃんは生まれながらにして、嚥下能力を持っています。口を閉じられないお子さんは、口の中が陰圧にならず食べ物を正しく飲み込むことができません。口を開けたままで嚥下はできないため、先ずはおしゃぶりで口を閉ざし鼻呼吸を身につけましょう。

3.オシャブリや長期の授乳では乳歯はスキッ歯になりますが、これは永久歯が生えるために必要な隙間です。永久歯は乳歯のほぼ2倍あるため、乳歯列がきれいなお子さんは、永久歯が重なる叢生(らんぐい歯)となります。おしゃぶりの使用や長期の授乳で開咬になっても、鼻呼吸が身についていれば、乳臼歯が生えそろった段階で十分噛むことで、上の歯が下りてきて、解消します。開咬よりも、一度身についた口呼吸を改める方が難しく、また弊害も多く出ます。吸啜は口と舌の蠕動運動、つまりもぐもぐ運動につながるため、2歳半頃に乳臼歯が生えそろった段階で口を閉じて両方の歯で噛む咀嚼を教えれば開咬は解消します。

赤ちゃん豆知識_おしゃしゃぶり_開口

おしゃぶりの使用は、脳の発達が促され言葉の習得につながり、口呼吸が防止されて鼻呼吸となり、嚥下がスムースに行われ、さらに顎骨が発達するので乳歯のほぼ2倍ある永久歯がきれいに生え揃うという効用があります。そのうえ、進化の前のステージでエラの呼吸筋である舌筋と心筋が同じ由来のため、舌を動かせば心筋も強くなります。先ずは、お子さんの好みのおしゃぶりを探すことをお勧めします。

【さらに詳しく】

爬虫類は、次々と生え変わる食べ物を引き裂くための同じ形をした同形歯で、噛み砕く歯ではないため、丸呑みしかできません。哺乳動物は、歯根膜を持つ機能に応じた異形歯のため食物を噛み切り、かみ砕き、よくすりつぶすことができます。

鳥類は別ですが、爬虫類以下の動物は、ミトコンドリアの代謝(細胞呼吸)が哺乳動物の10分の1です。哺乳動物のライオンと爬虫類のワニを比較すると、ライオン1頭分のエサでライオンと同じ体重のワニ10匹を養うことができます。つまり、よく噛むか丸呑みかでミトコンドリアの代謝は10倍もの違いが出ます。

乳児と幼児を比べると、母乳や乳児用ミルクを吸う吸啜と、2歳半で歯が生え揃ってからの咀嚼では、ともに口と舌のもぐもぐ運動と鼻と肺の呼吸運動とが一体となった同じ一連の動きなのです。これはミトコンドリアの細胞呼吸のためのシステムです。つまり、吸啜と咀嚼と鼻と肺による呼吸は本来、一体のものです。吸啜と口と舌のもぐもぐ運動の蠕動運動と咀嚼は、口が塞がっているためにできることで、そのため鼻でしか呼吸ができないのです。吸啜と咀嚼はともに、元々鼻呼吸から肺呼吸につながる一体のシステムなのです。

咀嚼運動というのは、進化の初めのころの呼吸筋肉(エラの筋肉)に由来するエラ呼吸の蠕動運動を受け継いだものです。咀嚼運動と物を飲み込む嚥下とは元々一体のもので、蠕動運動の一環ですから、初めからおしゃぶりを使っていればリズミカルに吸啜から嚥下はもとより、物を食べるようになってからの咀嚼から嚥下に至るまでがスムースに行われるようになります。

第2回 “腸の成長にあった離乳食の基本”
「栄養バランスの良いミルク粥のすすめ」

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哺乳類の授乳期間は種によって決まっており、ヒトの場合は2歳半ごろまでで、動物学的にそのころ乳児として完成します。アメリカで発生した乳児ボツリヌス症事件により、乳児の腸は荒いざるの目のようで、何でも吸収してしまうことが明らかになりました。

発育にはたんぱく質が必要として早期に与えると腸内細菌が大人型となり、パイエル板を通して白血球に取り込まれ、体中にばらまかれて、アトピーなどアレルギーマーチの引き金となります。

個人差はありますが2歳半ごろに乳児として完成するまでは、母乳や母乳に準じた腸の発達にあった食べ物が、月齢に応じた順調な体重増加をもたらします。つまり食べ物は消化・吸収されて初めて成長につながります。

乳児用ミルクは赤ちゃんの発育に必要な、すでに消化されたたんぱく質のペプチドやアミノ酸などが、母乳に近づけて調整されています。また、お米の澱粉は、アミラーゼで分解されてブドウ糖として吸収され、細胞内でエネルギー生産に使われます。澱粉は多くの過程を経て余ればたんぱく質や脂質として蓄積されます。これで日光浴をすれば、ビタミンDが活性化され、元気になります。乳児用ミルクは栄養バランスが良く、消化・吸収が優れていますからお粥と合わせたミルク粥を基本に、根菜類と合わせて離乳食に活用しましょう。

お粥や軟らかく煮たさつま芋・ジャガイモ・ニンジン・カボチャなどの根菜類を、乳児用ミルクと合わせるかミルクを直接入れます。ミルクは60度を超えなければビタミン類が壊れる心配はありません。味付けはしないか、ほんの少々の天然塩のみで十分です。里芋やヤマトイモなどたんぱく質分解酵素を含むイモ類は、適さないので注意が必要です。

月齢に応じミルクの濃さやお粥の硬さは調整し、ミルク粥・ミルク野菜ポタージュ・ミルク野菜粥など工夫しポッチャリ型の丸々とピカピカの赤ちゃんに育てましょう。

第1回 “離乳食の第一歩”
「哺乳瓶の乳児用ミルクに重湯を足しましょう」

西原式育児は、母乳がベストで不足分は乳児用ミルクで補うことをお勧めしています。本格的な離乳食の開始時期は個人差がありますが、第一歩として哺乳瓶の乳児用ミルクに重湯を足すといいでしょう。
赤ちゃんは2歳半ごろに乳児として完成します。それまでに重要なのは吸啜です。吸啜の舌の動きは脳の発育を促し、歯が生えてきた時には咀嚼運動に受け継がれます。さらに顎骨を育てるため、永久歯に生え変わる際に叢生が避けられ歯並びがよくなります。永久歯は乳歯の約2倍の大きさがあります。歯の生え方を考慮しつつ、母乳と同じ要領で重湯入りミルクを与えるのが離乳食の第一歩です。

10倍のお粥の重湯をスプーン1杯から哺乳瓶に入れ、月齢に応じて重湯の濃さと量を調整します。重湯の量が多くなり哺乳瓶の乳首から出なくなると、スプーンで与えますが、ズルズル飲み込むことに注意しましょう。

お米アレルギーのある場合は、米粒の周りのたんぱく質を精米機で取り除く必要があります。