Q. 小児科医よりおしゃぶりについての質問です。 日本小児科学会雑誌の本年度6月号の780ページに「おしゃぶりについての考え方」という論評がでています。これによると、おしゃぶりはできれば使用しない方がいいが(咬合に影響するとのこと)、使用する場合でも2歳半までに限るとしています。これは小児歯科医との協議の結果だとのことです。これを先生はどうお考えですか? |
A. おしゃぶりというのは鼻呼吸を習慣づけさせるために非常に重要なものです。 日本の小児歯科のおしゃぶりに対する考え方は、ほぼ60年前のアメリカの医者の考えに基づいているものです。今から55年ぐらい前にミュンヘン大学の研究でおしゃぶりがいかに重要であるかということを発表いたしました。これは当時敗戦後のドイツで、今の日本人のように口呼吸、ポカン顔、猫背、脊柱側弯が大量に発生してこれに対してどうしたら対応できるか考えた結果、アフリカ人のように当時4,5歳まで母乳のみで育てればこのようなことが起きなくなるということが解ったわけです。もとより敗戦国のドイツで4,5歳迄母乳を飲ませることは不可能であるので、ヌーク社に具合の良いおしゃぶりを作らせて、これを4,5歳まで使わせれば戦前のドイツ人のようにきちっとした容姿・容貌になるということが明らかになりました。これに基づいて具合の良いおしゃぶりを作り、これを発表したところ戦勝国のアメリカ、その他の先進国が100%導入いたしました。それで今、ほぼ文明国はおしゃぶりを3,4歳~4,5歳まで使うようになっています。これを導入しなかった国が文明国では、日本とフランスだけです。そして口呼吸で起こる最も有名な病気がIgA腎症ですが、世界一多いのが日本で、二番目がフランスです。もとより喘息、リュウマチ、小児リュウマチ、脳炎その他みな口呼吸が原因です。そして二歳半までに取り上げますと開咬した状態でかえって逆効果で、口呼吸が定着してしまいます。あくまでも3,4~4,5歳までです。そして今、私どもでは開咬しないオープンバイトにならないおしゃぶりを開発しております。オープンバイトになるおしゃぶりでも3,4歳まで使えば鼻呼吸が習得されてきちっと噛み合わせが閉じてきます。そして歯と歯の隣同士の間が十二分に発達して開いてきます。日本ではこういうことを実際にやらないで、60年前のアメリカの迷信をかたくなに踏襲しております。 |
【おしゃぶり】小児科医よりおしゃぶりについての質問
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