西原ワールド アート医研

【発育】母乳のみでは発育が心配

Q. 小柄なので、母乳のみでは発育が心配です。 周囲の人からも離乳食を勧められますが…

A.小柄でも、赤ちゃんが健康なら自信を持って子育てを

6ヶ月を過ぎてもミルクのガブ飲みや離乳食をたくさん食べることにより、体がスリムにならず、そのままどんどん体重が増えた赤ちゃんは肥満になり、体全体を活発に働かせることもできず、運動機能も遅れがちになります。昭和40~50年代に推進された乳児栄養の指導方針は、身長・体重を欧米先進国並みの体格に発育させることのみに目を向けてきました。しかし、母子健康手帳の発育曲線に惑わされることなく、お子さんを健康に育てるためには離乳食を焦らず、1歳過ぎまで母乳中心で育てることが大切だと知ってください。何より重要なのは、お子さんが健康であるということです。ですから、周囲の雑音に影響されることなく、お母さん自身が自信を持って子育てをしていただきたいと思います。

アメリカの育児書の『シアーズ博士夫妻のベビーブック』でも、次のように書かれています。
「母乳育ちの赤ちゃんと粉ミルク育ちの赤ちゃんでは、成長パターンに違いが現れることがありますが、現在使用されている成長グラフは同じものとなっています。」「母乳育ちの子のほとんど全員が、母乳の脂肪分が自然と少なくなる6ヶ月頃から1歳くらいまでに、自然にスリムになっていくものです。母乳育ちの子は、最初の6ヶ月間は肥満傾向にあっても、やがて運動量の増加によって脂肪が燃焼していき、6ヶ月から1歳までの間にスリムになっていきます。」(『シアーズ博士夫妻のベビーブック』より)
「母乳育ち」と「粉ミルク育ち」の赤ちゃんの成長パターンをいっしょにした日本の「母子健康手帳」の乳児身体発育曲線からは、ヒトの赤ちゃん本来の成長パターンを見ることは決してできません。
母乳の赤ちゃんは、6ヶ月頃を境に母乳の脂肪分が少なくなるので、それまでのコロコロ、プクプクした赤ちゃんらしい体型から、しだいにスリムになっていきます。この時期は、ちょうど大脳の働きが活発になる頃でもあります。スリムになって体全体の働きが活発になるからこそ、脳の働きも活発になるのです。