A. ミルクは母乳的飲ませ方をさせましょう
母乳で足りないときは、母乳と乳児用粉ミルクの混合育児にします。その場合、粉ミルクを一度にたくさん(100~150㏄)足してしまうと、その子の消化能力をオーバーしてしまい、不消化の緑便が出てしまうでしょう。赤ちゃんの便の状態を見ながら、ミルクの量がオーバーしないように補うことが大切です。「少量だから消化にいい」と思って、たくさん与え過ぎないことです。ミルクは缶に一回の規定量が書いてあり、そのとおりに一回に180~200㏄も飲ませると、授乳間隔が長くあきます。そのほうがお母さんには都合よく思われますが、一度にたくさん飲ませると、赤ちゃんはうなったりいきんだりしがちです。そして、覚醒している時間がほとんどない状態で眠ってばかりで、目覚めては泣くということを繰り返す。さらに、肛門が赤くただれてかぶれたり、舌の上に真っ白なコケが生え、目やにや鼻水、鼻くそがたまることも多いのです。赤ちゃんの消化能力をオーバーする量のミルクを与えると、便も不消化の緑便になります。
そこで乳児用ミルクを与える場合は、1回に60~100cc程度を1~2時間おきに与えるようにするのがコツです。母乳の場合は、一度に何百㏄も出ませんから、ミルクも母乳と同じように少しずつ頻繁に飲ませるのがいいのです。 ただ、授乳のたびに少量のミルクを調乳するのは大変です。そこで、1日にだいたい600~800㏄くらいまでを限度に、朝まとめて調乳しておき、冷蔵後に入れておきます。そして、授乳のたびに60~100㏄を清潔な哺乳びんに取り分けて、湯せんして温めて与えます。こうすれば、1日にどれくらい飲んだか、すぐにわかりますし、1~2時間おきの授乳ごとに、毎回調乳する手間も省けます。 ミルクのお温度は40度を保ちましょう。特に寒い時期はミルクがすぐに冷めるので温度に注意しましょう。 こういうと「粉ミルクは、飲むたびに新しく作らないと不潔になるのでは?」と心配するお母さんもいるかもしれませんが、ミルクの作り置きがよくないとされたのは、まだ家庭に冷蔵庫がなく、上下水道も完備していなかった時代のことなのです。一度口をつけた飲み残しのミルクをとっておくのは、雑菌が繁殖する可能性があるのでやめますが、清潔な哺乳びんに衛生に気をつけてつくったミルクを、口をつけず授乳のたびに取り分けるのですから、腐敗するなどの心配はありません。 |